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研究代表者 九州大学病院 呼吸器科・医員 神尾 敬子 先生
呼吸器系ウイルス感染症は、空気・飛沫・接触感染の多彩な感染経路を介し、インフルエンザウイルスやCOVID-19感染症のようにパンデミックをしばしば引き起こします。流行するウイルスを事前に予測することは困難であり、また流行後のウイルス特異的なワクチン・抗ウイルス薬開発には時間を要することから、それらの人類社会への影響は甚大です。我々はPI3Kδ阻害剤が、2本鎖RNAにより誘導されるインターフェロン応答を増強し、in vitroにおいてヒトメタニューモウイルスの増殖を抑制することを報告しました (Fujita, Kan-o et al. Front Immunol. 2020)。そこで本研究では、ex vivo培養下に肺ウイルス感染時の免疫応答やウイルス増殖能に対するPI3Kδ阻害剤の効果を詳細に検討することで、汎用性が高くかつ副作用の少ない抗呼吸器系ウイルス薬開発への寄与を目指しています。