公益財団法人 日本呼吸器財団
令和5年度研究助成のご報告

悪性胸膜中皮腫の新規研究モデル開発と分子病態解明

研究代表者 慶應義塾大学医学部・呼吸器内科 准教授 安田 浩之 先生

受賞コメント

悪性胸膜中皮腫は予後不良の希少疾患です。今後患者数増加が予想されていますが、現在まで十分な病態解明・治療法開発が進んでいません。
本研究では、悪性胸膜中皮腫の病態を分子レベルで理解し、新たな治療戦略を開発するため、患者由来悪性胸膜中皮腫オルガノイドを用いた新たな研究モデルの開発を行います。効率的な悪性胸膜中皮腫オルガノイド樹立方法を開発するとともに、樹立したオルガノイドに対するゲノム・エピゲノム解析を行い、悪性胸膜中皮腫の分子異常を詳細に把握します。また、悪性胸膜中皮腫細胞が増殖する上で依存するシグナルを見つけるとともに、そこから新たな治療標的の同定を目指します。本研究を通して、新たな研究モデルを提案するとともに、悪性胸膜中皮腫の病態理解を深め、治療成績向上に貢献する知識の取得を目指します。